参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス

健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。
書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

酸化による老化から体を守る!ビタミンEとは?

ビタミンCコエンザイムQ10のように、美容にいい!などと華やかに取り上げられているわけでもなく、少々地味な存在のビタミンE。

確かに多機能的なはたらきはありませんが、ビタミンEの代名詞といえば“強力な抗酸化作用”
そこに集約されると言っても過言ではありません。

ビタミンEは、必須ビタミン13種のうちの脂溶性ビタミンの1つです。
まずはその基本的な働きを含めプロフィールを整理します。

ビタミンE(トコフェロール)
・主に細胞膜で抗酸化物質として働く。
・ナッツ類や植物油に多く含まれる。
・トコフェロールとトコトリエノールの2種類があり、さらにそれぞれαβγθに分かれ、計8種類があるが、ヒトの体内で最も生理活性が
 高いのはα-トコフェロールである。
・シロネズミの不妊を防ぐ栄養素として発見された、動物の生殖と関わりの深いビタミンである。
・性ホルモンの生成分泌に関わるため、不足すると更年期障害の症状が進行する可能性がある。

それではビタミンEについて、いくつかの観点からコメントしていきますね。

強力な抗酸化作用で細胞膜を守る

過剰な活性酸素は、脂質を酸化させて過酸化脂質を発生させたり、DNAを傷つけてがん細胞を発生させたり、赤血球の膜を損傷させて溶血させたりといった悪さをします。

ビタミンEはその強力な抗酸化作用で、主に細胞膜において活性酸素の除去にはたらき、細胞を守ってくれます。

活性酸素を除去したビタミンEはそのはたらきを失いますが、同じ抗酸化ビタミンの代表格であるビタミンCによって再生されますので、同時に摂取するとよいですね。

ちなみに、ビタミンCは細胞の外側全般で、またコエンザイムQ10は細胞内で活性酸素の除去に作用することを得意としていますので、この3つの抗酸化ビタミンは併せて摂取するとより効果的です。

 ※コエンザイムQ10は厳密には、ビタミン
  ではないが同様の働きをするビタミン様
  物質です。

過酸化脂質の生成を抑えて動脈硬化を防ぐ

コレステロールなどの脂質(血液中ではLDLなどのリポタンパク質として存在)が活性酸素により酸化されると、過酸化脂質が生成されます。

過酸化脂質は、DNAを損傷させてがん細胞を発生させたり、アテローム性動脈硬化を引き起こしたりといった悪さをします。

動脈硬化とは、動脈の血管壁の弾力性や柔軟性が失われた状態のことを指します。
血管壁が硬くなることは血行不良を招き、冷え、肩こり、そして細胞の老化に繋がります。
動脈硬化が発展して起きるのが、脳梗塞や脳出血、心筋梗塞や動脈瘤破裂です。

つまり、過酸化脂質に端を発して、連鎖的に病気が発生していくのです。

ビタミンEは、その過酸化脂質の生成の抑制にはたらき、細胞のがん化や動脈硬化を防いで切れる、強力な抗酸化ビタミンです。

ビタミンEの摂取方法

ビタミンEは、大豆、アーモンド、落花生などのナッツ類や、オリーブオイルなどの植物油に多く含まれています。

厚生労働省が定める食事摂取基準2015年版では、ビタミンEの目安量は成人で6~6.5mg/日とされています。これは落花生15個に相当します。

サプリメントで摂取する場合は、脂溶性であるため吸収率を考慮すると、油を含む食事の食中または食後のタイミングがおすすめです。

以上のように、ビタミンEの主たる特徴は“強力な抗酸化作用”で、細胞を老化やがん化から守ることですが、結果的に血流改善による冷え性対策にも関わる栄養素ですので、“体を温める”観点からも要注目ですね。

written by staff M.Uchida
2016.04.12

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター