参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス

健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。
書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

美肌づくりにはコラーゲン!-コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠

美肌・美白、美容にはコラーゲンを!

無意識のうちに発している定番となったフレーズですよね。
最近では、薄毛の原因のひとつがコラーゲン不足、といった記事もちょくちょく見かけます。

そこに便乗して、コラーゲン鍋やコラーゲンドリンク、サプリメントなどの食品から、コラーゲン美容液などの化粧品にいたるまで、巷にはそうした商材が溢れかえっています。

そして美容にいいからという理由で、その“コラーゲン”が冠についたものばかりを食したりしている方をよく見かけます。
摂取したコラーゲンがそのまま体内ではたらいてくれればよいのですが、実際にはそう都合よくはいかないのです。

というわけで、今回はそのコラーゲンについていくつかの観点からご説明していきたいと思います。
まずはコラーゲンが体内でどんな役割を果たしているのか、食事などから摂取したコラーゲンがどうなるのか、を見ていきましょう。

コラーゲンとは?-体内での役割と合成について

コラーゲンは、体内のタンパク質の約30%を占めていて、18種類のアミノ酸で形成されています。
皮膚、毛細血管、粘膜、骨、健に多く存在し、その多くは同じくタンパク質の一種であるゴムのような伸縮性をもつエラスチンとともにコラーゲン繊維マトリックスを形成し(真皮においては繊維芽細胞が形成)、細胞と細胞をつなぐ屋台骨として柔軟性や弾力性を維持しています。

皮膚においては水分以外の70%はコラーゲンで、皮膚のみずみずしさを保ち、美容をサポートしています。

食事から摂取したコラーゲンがそのままコラーゲンとして適用されればよいのですが、残念ながら他のタンパク質と同様に、コラーゲンも体内では一旦アミノ酸に分解され、様々なタンパク質に再合成されます
低分子のコラーゲンペプチドはそのまま吸収される、といった実験結果もあるようですが、条件がシビアなこともあり、そこにはあまり大きな期待はしない方がよいと思います。

つまり、コラーゲンを摂ったからと言って、それがコラーゲンとしてはたらく保証はない、ということです。
ですので、コラーゲンの合成に必要な成分を摂る、と思っておいた方がよいでしょう。

コラーゲンの合成には、各種アミノ酸はもとより、ビタミンCや鉄分が必要なので、栄養素の観点からは、これらを含む食材(大豆、納豆、卵、小松菜、ピーマン、じゃがいもなど)やビタミンCサプリメントを一緒に摂るようにしたいところです。

ビタミンCはコラーゲンの合成に必要不可欠

前述の通り、コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠で、重要な補酵素として関わります。
ビタミンCと言えば、まず思い浮かぶのは美肌づくりですが、その筆頭となる要素がコラーゲンの合成です。

ビタミンCが欠乏すると、コラーゲン生成が不十分になります。
コラーゲンが不足すると、血管壁の細胞がゆるんで出血しやすくなります。
ビタミンCがもともと壊血病を予防する成分として発見された所以です。

外から見える皮膚組織における美肌づくりだけでなく、ビタミンCとコラーゲンは体の内側における健康維持にも深く関与しているのです。

骨の形成とコラーゲン

骨粗鬆症対策として“骨を強くするにはカルシウムを!”というフレーズが合言葉的に存在しますが、実際のところカルシウムだけでは不十分なんです。

骨の硬い部分である緻密骨は、コラーゲン繊維がまずらせん状の枠をつくり、そこにリン酸カルシウムがつき、その隙間をマグネシウムが覆っている構造になっています。

ビルで例えるなら、コラーゲン繊維は鉄骨、カルシウムはコンクリートです。
屋台骨である鉄骨がないと、地震などの衝撃が加わった際コンクリートだけではビルは崩れてしまいますよね。

ですので、骨を強くするには、コンクリートであるカルシウムだけでなく、鉄骨であるコラーゲンが必要なんです。
さらに言うと、カルシウムをコントロールするビタミンD、コラーゲンの合成にはたらくビタミンCが必要です。

ここでもビタミンCとコラーゲンは、体を内側から強くする役割を担っています。

酸化と糖化がコラーゲンに悪さをして老化につながる

酸化は老化を招く、と言われますが、肌におけるコラーゲンの老化は、紫外線を多量に浴びることによる活性酸素の発生・酸化よって起こります。
酸化されダメージを受けたコラーゲン繊維は、新陳代謝が滞り、老化へとつながります。

もうひとつは糖化反応(メイラード反応)による老化です。
その元凶は、血液内のブドウ糖など単糖類がタンパク質と結合し、酵素を介さないメイラード反応によって生み出された物質(AGE)です。

AGEはコラーゲンの多く存在する部位に作用し悪さをして、弾力を損なわせて硬く劣化させ、老化を促進します。

皮膚に作用すると肌の張りがなくなったり、しわやシミを招きます。
血管に作用すると動脈硬化を、骨に作用するろ骨粗鬆症などを招きます。

さらに小腸の上皮細胞に作用すると、栄養素の吸収が阻害され、栄養素が不足することは新陳代謝の低下にもつながり、肌の柔軟性や弾力性を失わせる、というスパイラルに陥ります。
腸内環境が悪化することで、免疫力のダウンも招きます。

糖化の対策としては、糖質の摂り過ぎに注意すること、AGEを多く含む牛肉などの動物性タンパク質、特に焼いたものや揚げたものの摂り過ぎに気を付けること、そして運動習慣をつけることです。

以上、美容と健康の観点からコラーゲンについてまとめましたが、ご理解いただけましたでしょうか?

一般的に美肌とは、うるおい、なめらかさ、ハリ、弾力、血色のよさの5つの要素において良好な状態である肌のことを指します。
また美白とは、その人がもつ本来の肌色にすることを指します。

肌は、その深部で細胞分裂を繰り返すことで生まれ、少しずつ表面へと上がり表面の角質を形成し、古くなった角質は少しずつはがれ落ちます。
これが肌の新陳代謝(ターンオーバー)で、その周期は約28日間とされています。

美肌と美白のためには、肌の保湿や紫外線による酸化防止など外側からのケアはもちろんのこと、食において栄養素をまんべんなくバランスよく摂取するなど内側からのケアも心がけることが大切です。

そのメインファクターのひとつが柔軟性や弾力性の維持を担うコラーゲンで、コラーゲンの合成にはビタミンCが必要不可欠ということですね。
ビタミンCには、メラニン色素の生成を抑えたり、メラニンを還元することで、しみやそばかすを防ぐ作用がある点にも注目です。

併せて、しっかりと体を“あたためる”ことで血行を促進、酵素を活性化し、適度な運動もまじえて代謝を促す、といった意識を持つことをお忘れなく。

合言葉は、“カラダを温めて健康美人。” ですね。

written by staff M.Uchida
2023.05.16更新
2016.06.07

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター