参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス

健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。
書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

三大栄養素とダイエットPART1:糖質・脂質・タンパク質とは?【三大栄養素の特徴】

日に日に気温が上がる季節。
それとともに、着るものも薄着になってきます。

そんな時期に決まって耳にするワードがあります。

 “ダイエット”

それとセットになっているワードがリバウンド。

極端に食(栄養素)を減らすだけのダイエットを行うと、必ずリバウンドが起こります
なのでダイエットは、しっかりと栄養素を摂りながら、運動を絡めて実行する必要があります。

というわけで、今回は三大栄養素とダイエットというテーマで書いていきたいと思います。

まずは三大栄養素について整理します。
これらは体を動かすための主要なエネルギー源、または体を構成する栄養素です。

◆糖質
・即効性の高いエネルギー源(解糖系:細胞質基質にて→有酸素系:ミトコンドリアにて)で、脳・神経系にとって唯一のエネルギー源。
・単糖類、二糖類、多糖類の3つに分類される。
 ・単糖類:ブドウ糖(グルコース)、果糖
      (フルクトース)、脳糖(ガラク
      トース)など。
      果糖はインスリンの分泌を必要と
      せず、胃からの排出が速いため、
      運動時は特に即効性の高い
      栄養素といわれている。
 ・二糖類:蔗糖(スクロース)、乳糖(ラク
      トース)、麦芽糖(マルトース)
      など。
 ・多糖類:でんぷん、グリコーゲン、
      食物繊維など。
・多糖類、二糖類は、消化を経て最終的に単糖類に変換されて小腸から吸収され、必要な分はすぐさまエネルギー源として利用され、
 それ以外は肝門脈から肝臓に入りグリコーゲンに合成されて蓄えられる。
 また余剰摂取分は、肝臓で脂肪に変換され皮下脂肪(中性脂肪)として蓄えられる。

◆脂質
・人の体を構成する物質であり(13~20%)、エネルギー源(有酸素系:ミトコンドリアにて)としても利用される物質である。
・体内で脂肪酸とモノグリセドに分解され、小腸の毛細リンパ管に吸収されて、再び脂肪に戻り、胸管を経由して鎖骨下静脈に入り、
 全身の脂肪細胞に送られ、それぞれに必要な脂肪に合成され、蓄えられる。また肝臓にも蓄えられる。
・脂質は大きく、脂肪酸とグリセリンからなる中性脂肪などの単純脂質、血液中に存在するリポタンパク質などの複合脂質に分けられる。
・リポタンパク質とは、アポタンパク質と細胞膜の原料となるコレステロールが結合して、血液中で安定する形態となったものをいう。
 小腸から吸収された脂質を運ぶカイロミクロン、肝臓で合成されたコレステロールを全身の細胞に運ぶLDL、余分なコレステロールを
 回収して肝臓に戻すHDLなどがある。
・脂肪酸はエネルギー源として利用されるが、余剰分は脂肪に再合成されて体内の脂肪細胞に蓄積される。
・脂肪酸は、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸に分類される。
 前者は牛肉などから摂取する動物性の脂肪酸で、体温差から人の体内ではドロドロになり、血液を流れにくくする。
 また、脂質異常症や動脈硬化など生活習慣病の原因となり、老化を促進する。
 後者はオリーブオイルなどの植物油(オレイン酸)や青魚に多く含まれ(DHAやEPA)、血液をサラサラにし、生活習慣病を予防する。
・コレステロールには善玉も悪玉もない、というのが近年の学説。

◆タンパク質
・人の体を構成する物質で、水(60~70%)の次に多いのがタンパク質(15~20%)。
・ホルモン、酵素、抗体などの構成物質でもある。
・食事から摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解され、小腸で吸収されて、肝門脈から肝臓に入り、ほとんどは肝臓の細胞のタンパク質
 や血漿のタンパク質につくり変えられる。
 それ以外の約20%は、全身の細胞に送られ、それぞれに必要なタンパク質に合成される。
 また余剰摂取分は、肝臓で脂肪に変換されて、皮下脂肪(中性脂肪)として蓄えられる。
・糖質や脂質が枯渇状態のときにはエネルギー源として使われる(糖新生)。
・体重1kgあたり1g(運動をする人は~1.5g)/日の摂取が推奨されている。
・20種類のアミノ酸(うち9種類は必須アミノ酸)で10万種類のタンパク質が構成され、1日約2~5%が新しいものと入れ替わる。
 また、新陳代謝によるアミノ酸に分解→タンパク質の再合成率は約70%で、30%は食事から摂取する必要がある。
・タンパク質が代謝されると、有毒物質であるアンモニアができる。
 アンモニアは肝臓で尿素に変えられ、腎臓で尿中に排出される。
・肉ばかりから摂っていると、腸内が酸性に傾き悪玉菌が増加、アンモニアを多量に発生させ腸内環境の悪化に繋がる。

以上のように、糖質はエネルギー源にしかなりませんが(ヒアルロン酸など一部を除く)、脂質とタンパク質は 体を構成する重要な物質です。

ダイエット中に野菜ばかり食べている方がいますが、糖質摂取不足から活動エネルギーを生み出すために筋肉が分解されてしまい、またタンパク質摂取不足から失った筋肉を再生することができず、基礎代謝が下がる→リバウンド、の要因となってしまいます。
これが極端な食事制限のみでのダイエットでリバウンドが起きる典型的なパターンです。

また、カロリー的観点からなぜ太るのか?を見た場合、それは単純に摂取カロリー>消費カロリーとなっているからですが、普段の食生活において、糖質1g×4kcal×摂取量とといったカロリー計算をいちいちするのは面倒ですし、そんなことをやりながらでは食事を楽しめませんよね。
さらに、食べたいものを過度に制限することは、そのガマンに対する反動も大きく、これもリバウンドに繋がる要因となってしまいます。

そこでおすすめなのが、糖質オフダイエットです。

現代の食生活においては、糖質は知らず知らずのうちに摂取過多になりがちで、消化吸収も早いため余分な糖質は即脂肪になってしまいます
ですので、ご飯の量を減らすなどして糖質摂取に制限を加えることは、とても理にかなっていると言えます。

その代わり、ある程度はお肉などのタンパク質や脂質を摂ってもOKなので(筋肉の分解を防ぐ意味もあり)、長続きする確立が高いです。
ダイエットは期間限定で行うものではなく、継続することが大切ですからね。

糖質オフダイエットにおいて絶対に守らなければならないのは、何事もそうですがいきなり糖質摂取を極端に減らすのはNG、ということです。
まったく運動習慣のない人が、ジムに通い始めの初日から頑張りすぎて、体のそこらじゅうがダメージを受けて挫折してしまうのと同じで、いきなり極端に糖質の摂取を減らしたりゼロにしたりすると、体によくない影響が出ます。
少しずつ減らして、自分に合う量を見つけてください。

PFC(Protein・Fat・Carbohydrate)の推奨摂取カロリー割合は、おおよそ13:29:58とされています。
個人差はありますが、糖質摂取過多にある人は58%を超えているはずなので、まずはこれを目指すといいと思います。

ちなみに参考までに、アメリカはFが45%を超えていた時期があったため、脂質を減らす(特に肉食による飽和脂肪酸とトランス脂肪酸の摂取過多により)ことに注目がいったのであって、それをそのまま日本の食事バランスに当てはめるのはそもそものデータをはき違えているということですね。

以上のように、ダイエットを行う際に必要不可欠なのが、栄養学の観点からまずは摂取した三大栄養素がどのように吸収され、どのようなはたらきをするのか、その特徴を把握しておくことです。
これにより、痩せるために闇雲に食事を制限する、という発想は消え去るはずです。

というわけでPART1では、糖質・脂質・タンパク質のプロファイルをまとめました。
PART2では具体的な食の改善について見ていきます。

さらにもう1点、ダイエットを行う際に必要不可欠な要素があります。
それは、必ず運動を取り入れる、ということです。

率直に言いますが、楽してダイエットはあり得ません。
しかし、それを楽しみに変えることはできます。
こちらはPART3で詳しく見ていきます。

三大栄養素とダイエットPART2:ダイエットと【食の改善】へ
三大栄養素とダイエットPART3:ダイエットと【運動による基礎代謝アップ】へ

written by staff M.Uchida
2018.06.19更新
2016.07.12

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター