参考情報:健康に関する豆知識:栄養素についてのトピックス

健康に関する豆知識を、参考情報として提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。
書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

骨粗鬆症の予防とカルシウム・マグネシウム・ビタミンD・ビタミンC

骨粗鬆症とは、骨からカルシウムが溶け出し、骨がスカスカになって骨折しやすくなったり、さらには日常生活に支障をきたすほどもろくなった状態のことをいいます。

骨粗鬆症は、中高年の女性、特に閉経後の50歳前後から多くなるようです。
これは閉経で卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌量が減少すると、腸管からのカルシウムの吸収率が低下し、骨からのカルシウムの溶出が増えて骨密度の低下を招くためと考えられています。
若い人でも、食生活の乱れや、極度の太陽光(紫外線)対策、運動不足などから、骨密度の低下傾向が増えています。

その対策として、“骨を強くするにはカルシウムを!” というフレーズが合言葉的に存在しますが、実は骨の形成にはカルシウムだけでは不十分なんです。

骨の硬い部分である緻密骨は、コラーゲン繊維にリン酸カルシウムがつき、その隙間をマグネシウムが覆っている構造になっています。
ですので、カルシウムだけでなく、リン、ビタミンD、ビタミンK、マグネシウム、コラーゲンの合成に働くビタミンCと必須アミノ酸が必要です。

特に最近の研究では、カルシウムとビタミンDを補給することで、骨盤、脊椎、手首の骨折が減るという結果も出ています。

骨の形成の観点から、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDビタミンCについてまとめると下記の通りとなります。

カルシウム
・カルシウムは、人体に最も多く存在するミネラルで(50kgの成人で1kg)、その99%は骨と歯に、1%は血液・筋肉・神経に存在している。
・血液中のカルシウム濃度はホルモンの働きによって厳密に一定に保たれている。
 不足すると小腸からの吸収を促進し、また骨からカルシウムが溶け出してしまう。
 過剰に存在すれば、骨に沈着したり、尿中へ排出されたりする。
・主な働きは骨の形成であるが、マグネシウムとともに筋肉の収縮に作用したり、神経を安定させるなど、重要な働きも担っている。
・リンの摂取量がカルシウムの2倍以上になるとカルシウムの吸収が阻害されるため、カルシウム:リン=1:1を心掛けたい。
 ※リンは食品添加物として加工食品に多く含まれるため、過剰摂取の傾向にある。
・カルシウムを多く含む食材は、小松菜、納豆、豆腐、卵、イワシなどの小魚など。

マグネシウム
・マグネシウムは、成人の体内に約30gあり、その約60%が骨や歯に蓄えられている。
・主な働きは、300種類以上の酵素反応に関わる、心臓・筋肉の働きを正常に保つ、ビタミンB群とともにエネルギー代謝を促進する、
 腎結石の治療に使われるなど、広範囲に活躍するミネラル。
・カルシウムとの関係では、前項の通り筋肉の収縮に作用、精神の安定に働くなど。
 さらに、マグネシウムはカルシウムが血管や組織に沈着して硬化するのを防ぐ働きもある。
 また、腸からのカルシウムの吸収を促して、カルシウムとともに骨などの発育・形成の手助けをするが、カルシウムの摂り過ぎが
 マグネシウムの不足を引き起こす可能性があるため、カルシウム:マグネシウム=2:1を意識しておきたい。
・マグネシウムを多く含む食材は、納豆、豆腐、ナッツ類など。

ビタミンD
ビタミンDは、骨の形成にかかわる脂溶性ビタミン。
・カルシウムやリンの吸収力を高め、骨が歯にカルシウムが付着するのを促進する。
・血中カルシウム濃度が高い場合には、ビタミンDがカルシウムを骨まで運び蓄積する。
 必要な量のカルシウムが摂取できていない場合には、骨からカルシウムを取り出し、血液に乗せて筋肉に運ぶ。
・コレステロールを材料に太陽光(紫外線)によって皮膚でも合成される。
・肝臓・腎臓による代謝を経て、体内で働く活性型に変えられる。
・ビタミンDを多く含む食材は、干しシイタケなどのキノコ類、魚介類、卵など。
 ※ビタミンDの詳細についてはこちら

ビタミンC
ビタミンCは、抗酸化ビタミンの代表格で、多機能的に働く水溶性の必須ビタミン。
・もともとは、壊血病を予防する成分として発見された有機酸であり、コラーゲンの合成に働く。
 コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占めていて、皮膚、毛細血管、粘膜、骨に多く存在し、細胞と細胞をつなぐ屋台骨として
 柔軟性や弾力性を維持している。
ビタミンCを多く含む食材は、赤ピーマン、ブロッコリー、ジャガイモ、トマト、アボカド、柑橘系果物など。
 ただし水溶性であり、かつストレスフルな現代においては大量に消費されることから、サプリメントによる効率摂取がおすすめ。
 ※ビタミンCの詳細についてはこちら

また、動物性タンパク質の摂取過多が骨をもろくしてしまうことも、専門家の研究により明確に分かっています。

動物性タンパク質を摂ると、体が酸性に傾きます。これを中和させるために体はカルシウムを使います。
そのカルシウムは骨から引き出されるため、骨を弱くして骨折しやすくなってしまうのです。

まとめますと、骨粗鬆症を予防するためには、まずは適度な運動(骨組織に刺激を与える)と栄養バランスの取れた食の改善、その上で不足しがちな栄養素、カルシウム、マグネシウム、ビタミンD、そしてコラーゲンの形成に働くビタミンCを少量で効率よく補えるサプリメントなどで摂取することが大切、ということになります。

written by staff M.Uchida
2016.02.22

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター