参考情報:“体を温める”ことの大切さと冷え性対策

健康維持において、“体を温める”ことは基本です。
“体を温める”ことの大切さと冷え性対策をテーマに、参考情報を提供いたします。

※学説や定説は、研究成果や臨床結果などにより日々変更され、進化発展していきます。
書かれていることや教えられたことをそのまま鵜呑みにするのではなく、必ずご自身でも調査および勉学を継続し、常にアンテナを立てておくことを心掛けるようにしてください。

ミトコンドリアのはたらき-活動のためのエネルギー物質ATPの生成工場

何年か前に、ミトコンドリアダイエットというフレーズが流行的に扱われたことがありました。

人間だけでなく、地球上のほとんどの生物の細胞には、ミトコンドリアという細胞小器官が存在していて、生命の維持にとても重要なはたらきをしています。

ですので、流行的なものではなく原理原則的に捉えて、まずはミトコンドリアのはたらきについてしっかりと理解しておく必要があります。

ここでは、ミトコンドリアおよびその重要な役割であるエネルギー物質ATPについてご説明します。

ATPとは?

代謝とは、物を食べることによって栄養素を摂り込み、その栄養素から他の物質を合成したり(同化)、エネルギーに変換したり(異化)すること、酵素の働きによって起きる体内での化学反応です。

筋肉の稼働、肝臓における三大栄養素の代謝やアルコールなどの解毒処理、胃腸の消化吸収、腸の蠕動運動、体の修復(細胞の修復)など、広い意味での代謝が発生する際にはエネルギーが必要で、それがATP(アデノシン三リン酸)です。

厳密には、その名の通りアデノシンに3つのリン酸が結合している物質ですが、このリン酸同士の結合に高いエネルギーが蓄えられていて(高エネルギーリン酸結合)、この結合が切れてADPとリン酸に分解されるときにそのエネルギーが放出され、様々な代謝に利用されます。

つまり、“ATPは生命維持活動に必要不可欠なエネルギー物質である”、ということです。

さらに言うと、代謝がなされる際には、セットで熱エネルギー(体熱)が産み出されます。
よりたくさんの体熱を発生させるためには代謝をよくする必要がある、ということです。

そして、代謝によって生み出された熱エネルギーは、血液に乗って全身に運ばれますので、血行をよくすることも、冷え対策の大切なポイントです。

ミトコンドリアとは?

ミトコンドリアは細胞内にある小器官で、体内のほとんどの細胞に存在し、肝臓や腎臓など重要な臓器においては、一つの細胞内に数百~数千個もある(全体では体重の約1/10程度)とされています。

その主なはたらきがATPの生成(代謝・異化)。
このATP生成工場であるミトコンドリアは、24時間365日稼働し続け、ATPの95%がここで生成されます。

ATPはほとんど体内に貯蔵できないため、常に生成し続ける必要があります。
人の体は50~100kg/日という膨大な量のATPを生成しては、代謝して消費することを繰り返しています。

ミトコンドリア内でATPは、栄養素(グルコース)と酸素と水を使用し、様々な酵素・補酵素が触媒的に関わって生成されます。
細胞内で行われることから、そのはたらきを内呼吸(生物学では呼吸)と言います。
これに対して、息をすること(酸素と二酸化炭素の交換)を外呼吸と言います。

体内に取り込まれた酸素の95%はミトコンドリアで使用されますが、その運搬(栄養素と併せて)を行っているのが血液ですので、その点においても血行をよくしておくことは大切ですね。

呼吸でATPが生成される仕組みは?

ATPは、酸素を使わずに細胞質基質で行われる解糖系と、酸素を使ってミトコンドリアで行われるクエン酸回路・電子伝達系の、大きく3つの呼吸過程で生成されます。

1.解糖系:細胞質基質

酸素を使わない無気呼吸の過程で、グルコース(ブドウ糖)がピルビン酸にまで分解される経路が解糖系です。
短時間でATPを作り出せますが、グルコース1分子からATP2分子しか生成されません。

2.クエン酸回路(TCAサイクル):ミトコンドリアのマトリックス

解糖系でできたピルビン酸をアセチルCoAに変え、そこからクエン酸がつくられて、様々な反応を経てATP2分子と大量の水素が生成されます。

3.電子伝達系:ミトコンドリアの内膜

クエン酸回路でできた水素が水素イオンと電子に分割され、酸素と反応して水ができる過程で、大量のATP34分子が生成されます(その際に必要な補酵素のひとつがCoQ10です)。

これら3つの過程で、1分子のグルコースから最大38分子のATPが生成されます。

ちなみに脂肪が利用される呼吸の場合、まずグリセリンと脂肪酸に分解され、脂肪酸はアセチルCoAにまで分解されてクエン酸回路に組み込まれる、という経路になります。

脂肪を使った呼吸では、1分子から129分子のATPが生成できます。
有酸素運動の習慣化などにより、脂肪を優先的に使用してエネルギーを生み出す体質になれば、体脂肪率の低下→肥満解消に繋がる、と言えますね。

ミトコンドリア

※3つの呼吸過程を経て、1分子のグルコースから最大38分子のATPが生成される。
 ATPは、生命維持に必要不可欠なエネルギー物質として利用される。

ミトコンドリアはどうやったら増える?活性化する?

ミトコンドリアは、筋トレや有酸素運動で増える、と言われています。

基礎代謝のうち意識的に鍛えて数値を上げることができるのは筋肉で、25%程度を占めます。
また、ATPを生成するミトコンドリアの80%は骨格筋に存在する、とされています。

ミトコンドリアは、筋トレや有酸素運動を行うことにより増加し、ATPの代謝の量とスピードが上がると、熱エネルギー産生が促進される→冷え対策に繋がる、ということになります。

さらに、空腹状態下では、体はエネルギーを作ろうとミトコンドリアを増やそうとします。
食べ過ぎに注意し空腹を感じる時間を増やすことで、物理的な量の摂取だけでなく、ミトコンドリアの観点からもダイエット対策に繋がります。
ただし、絶食を頻繁に繰り返すなど間違った過度な食事制限は避け、食の改善という観点から食事の質と量を見直す、という心掛けが大切です。

また、ミトコンドリアは体温37℃(36.5℃以上)で最も活性化すると言われています。

逆に低体温下では、ミトコンドリアの活動が弱まり、ATPの生成力が落ちて代謝が下がり、太りやすく疲れやすくなり、さらには免疫力も下がる、という負のスパイラルに陥ります。

最後にもうひとつ。
体内で発生する活性酸素の90%は、ミトコンドリアがATPを生成するときに発生します。
低体温下では、活性酸素を除去してくれる酵素の力も弱まりますので、ミトコンドリアを傷つけてはたらきを弱めたり、ついては重大な病気を引き起こしてしまう、という事態になる可能性もあります。

ミトコンドリアの活性化という観点からも、体をしっかりと温めることが、日々の健康維持のためにとても大切、ということですね。

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written by staff M.Uchida
2019.08.06

【保有資格】
・健康経営アドバイザー
・米国ISNF認定 サプリメントアドバイザー
・NPO日本食育インストラクターPrimary
・AEAJ認定 アロマテラピーアドバイザー
・NHA認定 ハーバル・フード・マイスター